ステンレス鋼はさびにくい金属ですが、環境によっては腐食が発生します。主な腐食の種類は以下の通りです。
孔食・隙間腐食:
塩素イオンなどを含む環境で、不動態被膜が局所的に破壊されて発生する点状の深い腐食(孔食)や、継手の接合部などの隙間で発生する腐食(隙間腐食)です。
粒界腐食:
溶接などの熱影響により、金属の結晶粒界の耐食性が低下して発生する腐食です。約550〜800℃に加熱されると、クロムが炭化物として析出し、その周辺のクロム濃度が低下することで腐食しやすくなります。
応力腐食割れ:
部材に引張応力がかかっている状態で、特定の腐食環境(特に塩素イオン環境)に晒されることで発生する割れです。オーステナイト系ステンレス鋼に特有の現象です。
電食(異種金属接触腐食):
電位の異なる2種類の金属が電解質溶液中で接触すると、電池が形成され、電位の低い方の金属が優先的に腐食する現象です。


